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彼女とお揃いのiphoneケースを買って、うれしかったはずが・・・ |
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カバーを取り換えたい |
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そんな事、普通言うか？! |
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T先輩とお揃いのカバーだと気がついて４日。
ぼくは、人前でiphoneを取り出すことが出来ない。
T先輩も仕事中に携帯を触るタイプではないので、よっぽど周囲にお揃いだと知られることもないのだろうが・・・。
彼女とお揃いでもあるこのカバー。
取り換えたいのだけれど、彼女に言いだすこともできない。
カバーを気に入って使ってくれているようだから、水を差すことになりそうだし。
ああ。
毎日がゆううつだ。
事件が起こったのは金曜日。
この日は外出の予定もなく、遅めの出勤。
すると、すでに出勤している社員たちのぼくを見る目が、あきらかに変だ。
もしかして・・・。
くすくす笑っているらしき女子社員までいる。
ぼくの勘違いなのか、考えすぎなのか・・・。
どこかで現実逃避。
いたたまれない気持ちで午前中の仕事をこなす。
こんな日は、外出するくらいの方が良かったのにな。
落ち着いた頭が、きっとT先輩と同じカバーであることがバレたのだろうが、この４日間、人前でiphoneを取り出すこともなかったのに、何故だ？
その原因がわかったのが、昼休み。
珍しく、外で昼飯を食おうと、同期が声をかけてきた。
これは、面白がって誘ってきたな？
と、ピンときたが、現実を知るいい機会。
重い腰を上げて、会社を後にする。
店につくまでもなく、話しを切り出してきた。
「T先輩とお揃いの携帯カバーなんだって？」
行動早いなー。
偶然同じだったんだよ、と答えつつ、何故そのことを知っているのか聞いた。
なんでも。
朝から、女子社員どもがキャーキャー騒いでいたと。
昨日、女子社員の講習会があったのだが、そこでT先輩が受信したメールをみようと携帯を取り出し、それを見た一人の女子社員が、かわいいカバーだと指摘したらしい。
すると、T先輩。
ぼくとお揃いなのだ、と答えたのだという。
いや。
確かに。
間違いではないが、わざわざお揃いで買ったわけではなく、ただの偶然なのだ。
しかも、ぼくがお揃いでプレゼントしたのは、T先輩ではなく、彼女なのだ。
やっぱり、よくわかんねー。
天然なのか、わざとなのか。
“年の差恋愛”なんて、女子社員が騒ぐのも無理はないよな。
一度、広まってしまった噂話。
当の本人がどんなに言い訳しても、それが噂話に火がついてしまうだけだということは、ぼくにもわかる。
怪しげな眼や、にやにやした顔で、ぼくの言い訳をなんて広めてやろうかと、聞くだけだろう。
一応、忠告してくれた、この同期にだけは状況を話しておいた。
こいつが、正しい情報として伝えてくれるのか、おもしろおかしく伝えるかは、ぼくにもわからない。
前者であることを、強く願うまでだ。
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